液晶・太陽光パネルの搬送工程では、製品の大型化が急速に進行し、それに伴い搬送装置にも長ストローク化・高速化が強く求められています。従来主流だったボールねじによる直線駆動システムでは、ストローク長の限界や高速搬送時の剛性不足、バックラッシ(機械的な遊び)による位置決め精度の低下といった課題が顕在化していました。特に、5mを超える長尺ストロークや2m/sec以上の高速搬送が必要となる現場では、ボールねじの発熱・摩耗・振動増大による精度低下が避けられず、安定した生産ラインの維持が困難となっていました。
こうした課題を根本から解決するのが、加茂精工の「ラック&ピニオン」システム、特にCRA/CPAシリーズです。今回ご紹介する「CPA-3212/CRA3212A-2BF-L1000 ×5本」は、液晶・太陽光パネルのような大型ワークの長距離搬送に最適化されたモデルであり、ボールねじからの置き換えによってストローク長や搬送速度の制約を解消し、搬送工程の生産性・信頼性を大きく向上させます。
ラック&ピニオン方式は、ピニオン(歯車)とラック(歯条)が転がり接触することで直線運動を伝達します。加茂精工のCRA/CPAシリーズは以下のような特長を備えています。
ラックを継ぎ足すことで理論上無限長のストロークが実現可能。大型製品の長尺搬送にも柔軟に対応できます。
摩耗や発熱のリスクが少なく、180m/min以上の高速運転も安定。冷却装置などの付帯設備も不要となり、省スペース化にも貢献します。
常時2~3か所で歯(ローラーピン)が接触しているため、正逆方向ともにバックラッシが発生せず、送り精度・位置決め精度は精密ボールねじに匹敵します。
トロコイド歯車上をベアリング支持ローラが円滑に転動するため、耳障りな歯打ち音や振動も大幅に抑制されます。
円滑な転がり接触と回転部の小径低速化により、摩耗・発熱・発塵が極めて少なく、専用潤滑供給システム(TLS)との組み合わせで長期間安定稼働が可能です。
ローラピニオンとカムラックの転がり接触により摩耗・発塵を極小化。高精度位置決めと長寿命を両立し、5mを超える長尺ラインにも最適です。
最大180m/min以上の高速搬送や、重量ワークの安定搬送にも対応。液晶・太陽光パネルの大型化や搬送距離延長のニーズにも柔軟に応えます。
常時複数接触によるノンバックラッシ設計で、正逆運転時の精度低下を防止。ベアリング支持ローラにより低騒音・低振動を実現します。
TLS潤滑供給システムにより完全メンテナンスフリー。消耗部位のみの交換が可能で、保全費の大幅削減と少人化を実現します。
大手設備メーカーをはじめ、多様な業界での導入実績。既存設備のオーバーホールから新規設計まで、現場の課題に応じた最適提案が可能です。
羽根田商会は、機械工具・FA機器の専門商社として1951年の創立以来、ものづくり現場のあらゆる課題解決に取り組んできました。国内外の700社以上のメーカーとのネットワークを活かし、最適な製品選定から設計・製作・納入・アフターサービスまでワンストップでご提案いたします。
「ストローク長や速度、精度、保全性でお困りの方」「ボールねじからの置き換えや省人化・コストダウンを検討中の方」は、ぜひ羽根田商会にご相談ください。
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